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今日から第5号を掲載します。
詳細はFBシグマ会を御覧下さい。

1953年 昭和28年発行の会誌5号の巻頭言より-抜粋
 
 卒業生及び在校生のΣ諸君よ!わが建築科が昭和19年に誕生してから
9ヶ年、Σが結成されて5ヶ年、卒業生を世に送ること今年で四回、
昨春建築科の実習室が木造ながら校長先生の御努力と市当局の配慮
によって建てられ、今明年中には鉄筋コンクリート造の建築科教室が増築
されようとしている。
 「自由奔放のデザインの工芸」「図面は工芸」「工芸のA君のような馬力
と熱のある人物は最近の採用試験者中にはいない」・・・といった学界業界
の声を、僅に併設されて十年足らずのわがΣへの世評を聞く昨今となった。
無名戦士戦没者合葬墓の設計図案懸賞競技に於てわがΣの佐江木先生と
二年の戸田君合作による応募案が二等一席に入選し、東京建築学界に於て
表彰される栄誉を荷い、又、B君の図面が東京一流のM事務所で認められる
機会を得るなど中央に工芸建築科が進出しつつある現状を思うとき、
これまたΣは春光麗らかである。
 
 だがΣの諸君、思へ!開花麗光の先に凛風霜雪の隠忍の冬があったことを、
それをΣの先輩が耐え踏み越えて来たからこそ今日があったのだ。
諸君の先輩が自分の実習室一つなく製図板一枚なく借り物で間に合わし
参考書一冊なく世は科の存在さえしらないといった学窓生活に耐えてきた。
世に出ては現場で素手で凍った溜水を汲み出すということやこれに類する
試練を乗り越えた地と涙の短いながら「生命をかけて築いた歴史」であった。
これがΣ魂なのだ!古いかも知らぬ、馬鹿げているかも知らぬ。
これに耐え築かなければ存立出来なかったΣであり創設時代だった。


シグマ5号の表紙

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